米国のCPIこと消費者物価指数の高止まりが後退し鈍化、本格的な景気後退になるのかと感じた市場はドル売りを始め、奇しくも日銀が金融政策見直そうかな~、などと口先発言をしたばかりで、市場が円買いに走っていたタイミングというまさにダブルパンチ状態!
その結果、ドル円は急落、それに引っ張られる形でクロス円も急落していく事態となりました。
この記事を書いているときは「ドル」がひたすらに弱く、「円」が物凄く強い状態にあります。
クロス円とは爆損ケース1のときにも少し話題に出した通り、対象の通貨をドルで買ったもので、そのドルは円で買ったもの、つまり「ドル円」相場が効いてくる通貨ペアとなります。
有名どころでは、豪ドル円、ユーロ円、トルコリラ円などがありますね。
各通貨に対する「米ドル」の強さも影響、更に「米ドル」に対して「円」の強さも見る必要があるといった、三つ巴の通貨強弱に振り回される通貨ペアと考えてよいでしょう。
今回のように米ドルが各通貨に対して弱くなりつつあり、その米ドルより強さを一時的であれど「円」が持ったことでこれらクロス円は軒並み急落、米ドルも弱いが円も弱いであれば上昇もあるはずがそれも無く、円一強伝説というのが今現在です。
日本円にそこまでの価値があるのかというと昨今の国内情勢を見る限り、はなはだ疑問ではありますが、市場はそうは見ていない様子。
来週ある日銀の会合で金融引き締めすると言うこと間違いなしと市場が判断したのか、投機的な円買いも入っているようです。
このような急落した相場において「買い」でエントリーしたいと考えるのが人情ですがそれは危険です。
日銀が、金融緩和を継続するのか引き締め宣言をするのかはその時になってみないとわかりませんし、前回のようなサプライズ「実質」利上げが発表されれば更なるドル円の暴落も起こることでしょう。
こういう場合、「米ドル」は景気後退懸念で売られる、資源国通貨は米国金融引き締め度合の緩和期待から買われるという点から見ても、クロス円ではなく、ドルそのもので取引通貨を買うといった通貨ペア、通称ドルストレート通貨でトレードするのが無難となります。
情勢がハッキリしており、通貨強弱がそれなりに出ている通貨ペアで取引するのは為替FXでは定石です。
つまり、豪ドル/米ドルやユーロ/米ドルなどがそれにあたります。
逆にブログ主が愛してやまない豪ドル円 ロング(買いエントリー) はこういう状態で入ると爆損します。
では「売り」ことショートでエントリーすれば良いのかというと、今「豪ドル」そのものは米ドルより強いので豪ドル/米ドルが上昇しており、そこに支えられて単純には下がらない、下手をすれば上昇もあり得るという点で、そう簡単な相場ではないのです。
こうなってしまうと不透明な部分が明確化されるまで、クロス円取引は様子見した方が得策ということになります。
今までドル円の高騰で高値を付けていたクロス円通貨は、ここから軒並み下落する可能性があるため「買い」でのエントリーは、今後の日銀の出方を見てからでも良いのではないでしょうか?
ただし、短期の戻りを狙ったトレードに限定するのであればアリかもしれません。
どうしても何かトレードしたいのであれば、ドルストレート通貨がオススメですよ!