昨日、日本時間深夜のFRB パウエル議長会見における発言内容を以下にまとめておきます。ただし前回の発言内容と重複する内容については一部省略しております。
・「サービス業に関してはインフレ後退が見られない」
・「24年にはインフレは目標の2%に近づく」
・「23年はインフレが著しく鈍化する年になると予想している」
・「労働市場の人材不足は構造的な問題だ」
・「おそらく今後も追加の利上げが必要となる」
・「インフレ後退の過程はとてつもなく長い道のりになりそうだ」
・「現段階の金融引き締め域を当面は維持する必要がある」
└今すぐ利下げに転じるという状況では到底ない
・「経済活動における指標結果が引き続き強まるようであればFRBはそれに基づき利上げを行う」
・「住宅サービスのインフレ鈍化は見られないが、下半期には鈍化すると考えている」
・「今後の金融引き締めの結果、労働市場は今より弱まるだろう」
・「未だ経済は強く、労働市場は強いままである」
・「インフレの主要因はパンデミックによるものである」
・「強い労働市場であると判断できる指標結果が続くようあれば、ピーク金利はより高くなる可能性がある」
・「今回の雇用統計結果は予想を上回っており、インフレ抑制プロセスが長期化することを示唆している」
インフレ後退は「物価」では見えてきているものの、サービス業ではその兆候が見られていないままであり、金融引き締め利上げはしばらくの間続きそうであるとのことです。
よって米株価方面には依然厳しい状況になるということがわかりました。それ故、豪ドルにとっても非常にキッツイ状況が続きそうだと思われます。
ドル円はパウエル議長のキーになる発言が出るたびに急騰、急落をしてはいましたが、日中を経て日本時間PM5:00付近では雇用統計による上昇でつけた高値より押し目の下落をしている程度です。
ボラティリティが大きいため、ここから一気にまた下げてくるのではと錯覚しそうですが、再び上昇する可能性の方が高いと思われます。これまでレンジ相場を繰り返していた米ドル円相場が、雇用統計結果によって長期の方向性が出たように感じます。
2/10(金)に発表のある日銀総裁人事の結果次第ではまだどうなるかはわかりませんが、瞬間の変動はあっても今後の米ドル円相場の大局に影響を及ぼすほどではないと判断します。
パウエル議長とは別に、バイデン大統領が「アメリカをデフォルトさせるわけにはいかない」という要人発言を今朝方しておりました。債権の上限額を上げるための法案を議会に通す必要があることに対する発言かと思われますが、この点を気にしている投資家もいるため、単純に米ドルの価値が今後も上がり続けるというわけではないのかもしれませんね。
それではここまでの米ドル円の値動き(PM5:30付近まで)を振り返ってみましょう。
月曜の窓開けから一旦は上へ向かうも、その窓閉めを完了後、更に下へとチャートが進んできております。また、パウエル議長発言による急な値動きの際であってもフィボナッチ50%ラインが意識されており、そこで綺麗に返されていることがチャート上で確認できるかと思います。この点からもしばらく下落はするものの、どこかのフィボナッチライン付近で再び上に返される可能性も考えられます。その上昇が高値更新のためのものであれば、20日移動平均線(赤線)を越えて上昇する必要がありますが、越えられずに下へ返されるようであれば、ここから更なる下落も想定されます。
大きな目線では「買い」エントリーだと考えられますが、押し目や利益確定による短期下落トレンドに巻き込まれないよう、エントリー時は特に慎重になりましょう!